クリスマス 男3人 0円タクシー。都内を交通費0円で満喫する〈プロローグ〉
こんにちは、セルシトです。タイトルの俳句では僕の平成最後のクリスマスを表したのですが、どうでしょう。決まっていますか?
この俳句はですねぇ、上五で1回区切って中七と下七でリズムよく読めるんですね、その軽いリズムが3人の足取りを表しているんです。また「0円タクシー」の字余りに余韻があってですね、上五や中七の言葉とも相まって寒い冬に0円タクシーを探し回る男どもの姿がよく思い浮かべられてですね・・・・・
もういいですね。読んでいけばこの真偽も含めておのずと分かります。
まあもう少しわかりやすく言うなら「クリスマスを男3人で0円タクシーと徒歩で交通費を一切かけずに満喫する」と、こんなもんですかね。
あぁ、ちなみに0円タクシーはご存知ですか?MOVというタクシー配車アプリが2018年12月に展開していたサービスで、23区内なら無料で乗れるという素晴らしいタクシーです。運賃は日清が払う広告費で賄われているようです。面白い試みですよね。
さて、そろそろ本編に入るのですが、先に言っておきます。
平成最後のクリスマス、めちゃくちゃ楽しかったです。
この記事ではその仔細を順番に説明しますが、だいぶ長くなると予想されるので4記事位に分割すると思います。
それでは、主な行動をとった時間ごとに書いていきます。よろしければ最後までお付き合いください。
_______________________________________
12/25 某時刻
いつもよりだいぶ早く起床。日は出たばかりで空はまだ暗く、自分の出もこの早い時間帯ではいまいち。しかし少しだけ出ている太陽の光は、冬の澄んだ空気と相まって空に見事なグラデーションを展開している。
自分も身支度を整え、最寄りの駅へと向かう。天気をチェックすると、気温は4度。ぱっと見雨も降らなさそう。最高の0円タクシー日和。
部屋の窓から見たときよりも少しだけ空が明るくなった気がした。寒さに凍えつつ、予定より一本遅い電車に乗った。
ちなみに行程は
品川駅→どこかで朝食→御茶ノ水で楽器(ここで友人2人と合流)→どっか向かう→終点:青の洞窟
の予定。移動はもちろん都内なので徒歩or0円タクシー。こういうのはざっくり決めておけばいい。なぜなら今回一番の目的はあくまで交通費をかけずに0円タクシーを捕まえることであり、決して観光やらなにやら、そういうふざけた根性で挑むわけではないからだ。悪いがこちらはクリスマスを本気で楽しもうとしている。しかも交通費0円で。
このエネルギーにはそう簡単には勝てんよ。なぜこんな暗い時間から1人品川へ向かおうとしているのだろう楽しい楽しい。楽しみ楽しみ。
さて、予定より一本遅い電車に乗った、のだが、上り方面はもうこんなに混んでいる。見える範囲の人間の半分以上がスーツなりワイシャツを着ている。こんな時間から0円タクシーなんぞのために品川まで向かうのは自分だけか。思いっきり平日だし。
電車に揺られて10分、急に朝ごはんが食べたくなる。果たして朝食にはありつけるのか。楽しみでもあり不安でもあり、何よりお腹すいた。
そこから揺られることさらに数分、目の前の席が空いた。ビンゴ。先はまだまだ長いので遠慮なく座らせていただく。ちなみに今座っている席の列は自分以外全員寝ている。普通はそんなもんですよね。この生活を何年間、何十年間繰り返している人もいるのだろうか。何がこの人たちをこの電車に乗せるのか。そして何が自分をここまで0円タクシーに駆り立てるのか。
ただ一つ言えるのは、社会人になっても満員電車で通勤だけはしたくない、それだけ。
そうこうしているうちに、空が明るくなってきた。もうすぐ品川駅に着くが、少しでも情報を集めなくては。ひとまずツイッターにて「0円タクシー」「ゼロ円タクシー」で検索。
・「これで4回目♪」「本日2回目」…おお、これは励まされる情報。案外乗れるのか?
・「運が良ければ乗れる!」…世の中は運が全てではない。努力は報われることを必ず証明してみせる。そのためのこの試みなんだ。
・・・・いや嘘だけど。クリスマス暇なだけだけど。話題のもの使ってみたいだけだけど。
7時ちょうどくらい
品川駅着。ひとまず高輪口から御茶ノ水駅へ歩きながら探していくことにした。駅前にはタクシーが8台。0円タクシーは流石にいない。果たして見つかるのだろうか?
空はすっかり明るくなった。心も晴れるような晴天。肌を刺すような寒気。一日がかりのミッションがついに始まる。
7:10
出発から10分。0円タクシーはまだ見つからない。流石にそう簡単にはいかない。
余りにも寒かったので、セブンで手袋購入。ないよりはまし。一応スマホ操作に対応しているが、自分の手には少々有り余るサイズのため、思うように操作できない。ググっとちょっと強引に手袋と指の先を合わせる。
ひとまず散歩気分で歩き続ける。
7:30
ファミリーマート泉岳寺北店で休憩&スマホの充電。未来、絶対(でっかい?)、東海大!!!と流れていた。帝京平成大学以外にもあるんだなあ。知らなかった。
あと、ライブスタッフの夜勤明けにタクシーで送られた時に酔ったけど、運転手の人がフリスクをくれたのを思い出した。あのスースーする感じによって口内と一緒に気分も新鮮になって救われたな~あの時は、とか運転手さんいい人だったな~とか、そんなところ。タクシーつながり。
ファミマもイートインでもタクシーを探してみたが、相変わらず見つからず。ただアプリを見ていると、少し離れたところでは何台か見かけた。
一目瞭然。
しかし現在地あたりえではなかなか見かけない。ひとまず上に向かわなくては。ハッシュドポテトと肉まんでひとまず腹ごしらえをして、また歩き始める。
7:40頃
向かってくる人々と自分の間で、謎の左側通行ルールが出来ていた。明らかにこちらのためだけに道が開かれている。
いやしかし、道中の歩道橋から見下ろした人の列はさながら・・・・アリの行列。その先にあるのはどれほどの蜜があるのか。自分もあの一員となっているのか。何も分からないが、この中で交通費をここまで渋っているのは間違いなく自分だけだ。
途中(田町あたり?)から人の流れが変わり、気が付くと自分も行列の1員になっていた。3秒に1回スマホの画面をチラ見しながら、ひたすら歩を進める。
7:52
初ヒット、しかし逃す。
「タクシーを呼ぶ」のボタンを押したが、夢かなわず。この少し後にもう1回ヒットしたが、またしても呼べなかった。
そうこうしているうちに東京駅に到着。品川から歩いて着いちゃった・・・・
アプリで見ていた限りでは、0円タクシーはここ東京駅に一番集まっている。その証拠に3回ヒットしたが、ことごとく失敗。なんだかんだ2時間歩きっぱなしなので、足がもうだいぶ疲れている・・・・
が、
しかし、
その時は突然訪れた。
9:03、運命の時。
ついに0円タクシー捕まえた。東京駅で張りこんでから、4度目の正直。その前にも2回失敗しているので、計6回目の正直。
黒く塗りつぶしたところには、車のナンバーが書いてありました。
品川東京間、計2時間にも及ぶ歩きがついに報われた。山手線におきかえれば6駅分。
もちろん喜びは爆発。「0円タクシーが捕まった!!!!遅れないようにしなきゃ!!!!!」と興奮して東京駅中央口信号の向かい側にある石のベンチから立ち上がり、大手町駅前交差点を突っ切るように走った。人通りは少なく車だけが多い通りを猛ダッシュ。おかげで走りやすかったが、肺から鉄の味がした。高校の持久走以来だ、久しぶりだぜ。
指定した場所に着いてから7〜8分ほどして反対車線にタクシーが停車。左右をよく見て急いで駆け寄り、自分の名前を言うとすんなり乗れた。
車体はよく見る黄色のタクシーで、扉の部分が赤く塗られていた。あの見慣れた〈どん兵衛〉のロゴもあった。
証拠写真に必死で全体像を撮れなかった。すいません。
床から座面、背もたれまで続く真っ赤な内装にMOVとどん兵衛のロゴがひたすら並べられている。
記念カードを貰えます。
気さくな運転手さんに0円タクシーについていくつか質問したり、少し話したりした。どうやら一日の使用制限はなく、また何人で乗っても問題ないらしい(もちろん車に乗っていい人数内での話)。友人と3人で乗る予定だったので安心した。
いい運転手さんに当たって満足。乗った後に送る評価も星5つ、なんの文句もありません。使った後はこんな明細がきます。本当に無料で感無量。なんつって。ええ。
都内をタダで移動、すごい優越感。
時々外から視線を感じながら、御茶ノ水駅に10〜15分ほどで到着。羨ましいか、羨ましいだろ。
後は待ち合わせの午前10時まで、聖橋口の改札前にて友人E氏を待つのみ。
冒険はまだ始まったばかりだ。
_______________________________________
追伸:
・26日から31日までに0円タクシーを使うとどん兵衛貰えるらしいです。
・以下朝7~9時に見かけたどん兵衛タクシーの位置です。5枚ほど。この写真以外でも僕が見た限りでは東京駅がダントツで多く、時点で新橋周辺という印象。
・次から本編です。質問や誤字脱字、その他意見等ありましたら遠慮なくコメントまで。それでは。
続編はこちらから。